試験勉強でおさえておきたい”地域支援事業”とは?
2020/11/26
地域支援事業は次3つの柱で構成され、市町村の裁量で実施される介護保険制度の一環です。
- 介護予防・日常生活支援総合事業
- 包括的支援事業
- 任意事業
1.介護予防・日常生活支援総合事業
介護予防・生活支援サービス事業
第一号事業と呼ばれる事業です。介護認定で要支援と認定された方、または、基本チェックリスト該当の方が該当します。財源は国25%、都道府県12.5%、市町村12.5%、第一号被保険者22%、第2号被保険者18%。サービスの種類は以下のとおり。
- 訪問型サービス(緩和型、住民型、短期集中型、移動型)
- 通所型サービス(緩和型、住民型、短期集中型)
- 生活支援サービス(配食サービス、栄養改善、安否確認など)
- 介護予防ケアマネジメント(要支援、基本チェックリスト該当者のケアマネジメント)
訪問型サービス、通所型サービスは廃止された介護予防通所介護、介護予防訪問介護が形的に移行したものとなっています。29年4/1より全面移行しています。
一般介護予防事業
対象者は第1号被保険者の全ての方、とその支援に関わる者です。2号被保険者は対象になりません。内容は以下のとおり。
- 介護予防把握事業・・・閉じこもりや要介護状態になる危険がある方の情報を収集し、ニーズの把握をします。
- 介護予防普及啓発事業・・・介護予防活動の普及啓発
- 地域支援介護予防活動支援事業・・・住民主体の育成、教育
- 一般介護予防事業評価事業・・・一般介護予防事業の評価を行います。
- 地域リハビリテーション活動支援事業・・・通所、訪問、地域ケア会議等でリハ職による助言等を実施します。
2.包括的支援事業
地域包括支援センターが市町村より一括して委託され、実施します。財源は国39%、都道府県、19.5%、市町村19.5%、第1号被保険者22%。以下の7つの事業があります。
- 介護予防ケアマネジメント
- 総合相談支援業務
- 権利擁護業務
- 包括的・継続的ケアマネジメント支援事業
- 在宅医療・介護連携推進事業(包括以外の委託可)
- 生活支援体制整備事業(包括以外の委託可)
- 認知症総合支援事業(包括以外の委託可)
1.介護予防ケアマネジメント
介護予防・生活支援サービス事業のケアプランの作成をします。一般介護予防事業の介護予防ケアマネジメントと制度上は別物ですが、一体的に実施されます。
2.総合相談事業
介護、福祉、保健等における様々な相談に応じ、関係機関との連携を図ります。
3.権利擁護業務
虐待の早期発見、防止や成年後見制度、日常生活自立支援事業の利用支援を行います。
4.包括的・継続的ケアマネジメント事業
多職種間のネットワークづくり、困難事例への指導・助言、地域ケア会議の開催等があります。
5.在宅医療・介護連携推進事業
医療専門職による介護事業所や在宅医療機関等との連携推進を行います。
6.生活支援体制整備事業
日常生活に対する支援や介護予防のための体制の整備を行います。ここでは生活支援コーディネーターが配置されています。
7.認知症総合支援事業
保健医療福祉の専門的知識を有するものが、認知症の早期発見、予防、悪化の防止等を総合的に支援します。平成30年3月末までに認知症初期集中支援チームの設置が義務づけられています。認知症地域支援推進員の配置もこの事業の一環です。
3.任意事業
市町村は介護予防・日常生活支援総合事業と包括的支援事業の他に任意な事業を行うことができます。財源は包括的支援事業と同じです。内容は以下のとおり。
介護給付費適正化事業
ケアプランチェックなどで介護サービス等による給付費が必要な方に不足なく、また、過度にサービス等が提供されていないか検証、点検、妥当性の確認をします。
家族介護支援事業
在宅介護者等への介助方法の助言指導などを行い、家族介護を支援します。
その他必要な事業
その他、地域の実情に応じて必要な事業を市町村及び特別区はさだめて実施することができます。成年後見制度利用援助事業などがあります。