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フレイル・サルコペニアの違い

      2020/11/26

フレイル・サルコペニアの違い

ケアマネや介護福祉士の試験問題でよくフレイルとサルコペニアについての知識を問われることがあると思います。何となく「体が弱った高齢者」というのはわかりますが、「フレイルになるとサルコペニアになるの?違いがよくわからない」と同僚や後輩から質問があったのでので調べてみました。

<目次>

フレイル

サルコペニア

まとめ


フレイル(虚弱)

高齢になっても筋力や活動が低下している状態。健康と病気の中間的な段階。

  1. 低栄養(1年間に体重4.5kg以上減少)
  2. 歩行速度(身体能力)低下、
  3. 握力(筋力)低下
  4. 疲れやすい
  5. 身体活動レベルの低下(日常生活活動量低下)

上記のうち1~2項目に該当すればプレ・フレイル、3項目以上該当すればフレイルとされます。

65歳以上の方の7%、80歳以上の方の30%がフレイルと診断される報告もあるそうです。

 

フレイルが進行すると廃用症候群になり、筋萎縮、間接拘縮、褥瘡、起立性低血圧、認知機能障害、尿失禁、便秘、嚥下機能障害、抑うつ、肺炎などが生じる、とあります。その後要介護状態に発展していきます。

また、最近では新しい概念として上記のような身体的虚弱(フィジカル・フレイル)だけでなく、こころ/認知の虚弱(メンタル/コグニティブ・フレイル)社会性虚弱(ソーシャル・フレイル)が存在するとされ、フレイルは多面的であるとされています。

 

サルコペニア(筋肉減弱症)

加齢に伴う骨格筋量の減少と言われていますが、近年では筋力や身体機能の低下も含めてサルコペニアというようになってきました。

サルコペニアの評価は、四肢の骨格筋量(筋肉量の減少)、握力(筋力の低下)、歩行速度(身体能力の低下)により判定されます。

 

サルコペニアの診断基準

  1. 筋肉量の減少
  2. 筋力の低下
  3. 身体能力の低下

1.に加え、2.または3.併せ持つ場合、サルコペニアになります。

サルコペニアのステージ分類があり、1.に該当する場合、プレ・サルコペニア、1.と2.または3.に該当する場合、サルコペニア、すべてに該当する場合、重度サルコペニアになります。

介護保険制度での要介護認定の主な原因疾患には脳血管障害、関節疾患、骨折、認知症なとがあげられますが、それらのリスクを高めるもっとも危険な要因の一つがサルコペニアとされおり、フレイルの一部と考えられています。

また、サルコペニアの簡単なスクリーニングとして「指輪っかテスト」があります。(かわいい名前ですね)ふくらはぎの一番太いところを両手の人差し指で囲い、①囲めない、②ちょうど囲める、③隙間ができる、の3段階でサルコペニアの危険度を簡便に判定する方法もあります。

 

まとめ

以上記述内容をまとめると、

<フレイル>体、心、社会性が弱まり、健康な状態と要介護状態の中間にある状態

<サルコペニア>筋肉や身体能力が低下している状態。フレイルの一部。

 

すなわち、フレイルになってサルコペニアになることもあるし、サルコペニアになってフレイルになることもある、ということです。

 


さらにもっと簡単に言うと、

 

フレイル=心身、社会

サルコペニア=筋肉

 

と覚えてもらったらいいと思います。(少し雑ですが。。。)

ご理解頂けたでしょうか?

 

参考文献:一般財団法人 長寿社会開発センター 介護支援専門員基本テキスト 八訂 第三巻

 - 保健医療サービス分野